負の感情を扱う仕事では深層演技が表層演技より働き手を傷つける 感情労働の研究では長く、感情を偽る表層演技のほうが有害で、本心から感情をつくり出す深層演技は害が小さいと考えられてきました。この研究は債権回収という職種を深く掘り下げ、その前提が負の感情を扱う場面では成り立たない可能性を示します。顧客の苦境が働き手自身のつらい記憶を呼び起こし、湧き上がった真正な感情がそのまま痛みになっていました。 2026.09.08 多様性・ハラスメント
社会の難題は、協働の設計次第で組織が挑める課題になる 地球規模の社会問題は、個人や一組織の努力だけでは動きません。この論文は、そうした問題を協調と協働によって現実的に取り組みうる課題として定式化し、その立案・言語化・実行を分析するための枠組みを提示しました。あわせて、集合的な目標の達成を高める要因と抑え込む要因を挙げ、今後の実証研究が向かうべき問いを示しています。 2026.09.08 リーダーシップ・マネジメント
活力は正午がピーク、努力の影響は夕方に現れる 同じ「がんばり」でも、活力を高めるときと奪うときがあります。この研究は、1日の活力の動きを資源動員・資源活用・資源撤退という三つの局面に分けて追いかけ、睡眠の質が朝の立ち上がりに、正午の努力が日中の下降に、午後の努力と没入が夕方の落ち込みに関わることを示しました。努力の代償は、働いている最中よりも、終業後にはっきり見えてきます。 2026.09.07 組織・エンゲージメント
変化への抵抗は、人の脳・組織・因果の三層に埋め込まれている 組織変革がうまくいかない理由を、著者は「人が抵抗するから」では説明が浅いと考えます。この論文は、認知神経科学・システム理論・複雑性科学を手がかりに、抵抗が人・組織・因果という三つの層に埋め込まれた制約の表れだと論じます。そして、制約に逆らうのではなく沿うように施策を設計することを提案しています。 2026.09.07 育成・評価・タレント
働く人を「平均」ではなく「タイプ」で捉える分析法の要点 同じ職場でも、働き方のパターンは人によって違います。この論文は、そうした「人の中での変数の組み合わせ」からタイプを取り出す潜在プロファイル分析について、職業行動研究での使われ方を整理した総説です。すでに幅広いテーマで使われている一方、手順や報告の仕方にばらつきがあることを示し、実践しやすい手引きとベストプラクティスをまとめています。 2026.09.07 働き方・ウェルビーイング
言語による締め出しが組織への所有感を弱め、破壊的な発言を招く 多言語で働く職場が増える一方、言語を理由に会話から外されることが従業員に何をもたらすかは、あまり調べられてきませんでした。本研究は、こうした言語による排除が組織に対する所有の感覚を弱め、その結果として組織への仕返しの色を帯びた否定的な発言を増やすことを、実験と現場調査の両方で確かめています。さらに、従業員を意思決定に巻き込む働きかけが、その悪影響を和らげることも示されました。 2026.09.06 組織・エンゲージメント
女性の適応支援より、ジェンダー障壁を直接取り除く実践が効く 人里離れた過酷な現場に出向く地球科学の仕事で、女性はどのように壁を越えているのでしょうか。この研究は、男女の地球科学者への67件の半構造化インタビューから、現場の物理的な条件と周囲との社会的な関係の両方に根ざしたジェンダー障壁と、女性が取る戦略を描き出しました。環境に自分を合わせる対応は障壁を温存しやすく、障壁そのものに働きかける対応と、それを直接扱う組織慣行のほうが効果的でした。 2026.09.06 多様性・ハラスメント
サステナブルAIは徳倫理と人間中心設計で一つに束ねられる AIをどう使うかという話と、AIそのものが資源を使い偏った扱いを生むという話は、これまで切り離して論じられてきました。この論文は、その二つを一つの倫理の問いとして捉え直し、人がよく生きること、自分で判断する力、そして共に育てる善さを軸にした枠組みを提案します。徳の考え方と人間中心の設計思想を重ね、現場・組織・文化の三つの層でAIを見る道筋を描いた理論研究です。 2026.09.06 倫理・コンプライアンス
職場から家庭への圧力は一方通行、支えたのは親族と仲間だった ワークライフバランスの研究は、役割の境界が引きやすく制度も比較的あてになる環境を前提にしてきました。この研究は、長期の任務や予測できない勤務、支援の行き届かなさが続くナイジェリア軍の現場で聞き取りを行い、仕事と家庭の影響が双方向ではなく構造的に偏っていることを描き出します。公式な支援が弱いところでは、親族や仲間、地域の助け合いといった文化に根ざした資源が、その偏りを部分的に受け止めていました。 2026.09.05 働き方・ウェルビーイング
AIの自動化と人の拡張は分けられず、偏れば悪循環になる 機械が人の仕事を引き受ける「自動化」と、人が機械と密に組んで仕事をする「拡張」。近年のビジネス書はこの二つを分けたうえで、拡張を優先せよと説いてきました。本論文はそこに異を唱えます。マネジメントの現場では両者を切り分けられず、どちらかに偏れば組織にも社会にも望ましくない結果を招く。両方を抱え込む視点こそが、事業と社会の双方に効いてくると論じます。 2026.09.05 採用・HRテック