共通善

同じ目標でも探し方が違えば行き着く戦略が変わる

企業は利益と社会的責任のように複数の目標を同時に抱えますが、実際に手を動かして改善案を探すとき、その進め方までは意識されていません。この研究はシミュレーションによって、同じ選好を持っていても採用する探索の手順(ヒューリスティック)が違えば、たどり着く戦略も見つかる機会も系統的に変わることを示しました。

危機下の企業と人道支援の連携は、原則を組み込まないと害になる

災害や紛争などの急性期の危機で、企業と人道支援組織の連携が増えています。この論文は、善意の協働であっても被災した人々に害を与え、人道支援のあり方を歪めうると指摘します。そのうえで、人道原則を各段階の倫理的な制約として組み込んだ評価枠組み「Humanitarian Impact Value Chain(HIVC)」を提案しています。

社会の難題は、協働の設計次第で組織が挑める課題になる

地球規模の社会問題は、個人や一組織の努力だけでは動きません。この論文は、そうした問題を協調と協働によって現実的に取り組みうる課題として定式化し、その立案・言語化・実行を分析するための枠組みを提示しました。あわせて、集合的な目標の達成を高める要因と抑え込む要因を挙げ、今後の実証研究が向かうべき問いを示しています。

サステナブルAIは徳倫理と人間中心設計で一つに束ねられる

AIをどう使うかという話と、AIそのものが資源を使い偏った扱いを生むという話は、これまで切り離して論じられてきました。この論文は、その二つを一つの倫理の問いとして捉え直し、人がよく生きること、自分で判断する力、そして共に育てる善さを軸にした枠組みを提案します。徳の考え方と人間中心の設計思想を重ね、現場・組織・文化の三つの層でAIを見る道筋を描いた理論研究です。