育成・評価・タレント

AI導入は人材の見極めと育成の前提を変える

AIの導入は、業務の一部を置き換えるだけでなく、働き方の前提そのものを組み替えていきます。本論文は、その変化が人材の見極め・育成・定着というタレントマネジメントの中核をどう作り替えるのかを、概念的に整理しました。そして、AIが職場に根づくかどうかは従業員自身の関わり方に左右されるとして、人事こそが経営の対応を先導する役割を担うと論じています。

職業データベースO*NETの派生尺度を整理し妥当性を検証

経営や組織の研究では、職業の特徴を測るためにO*NETの記述子を組み合わせた独自の尺度が数多く作られてきました。本レビューはそうした尺度を集めて整理し、妥当性の根拠が十分なものを選び出して、「O*NET Plus」という拡張された枠組みにまとめています。研究者が似た尺度を作り直す手間を減らし、職業記述の共通基盤を用意しようとする試みです。

キャリアショックが行動を促すのは会社派遣の駐在員

海外赴任にはトラブルや転機がつきものです。本研究は、そうした予期せぬ出来事が国際的なキャリアの持続性にどう関わるかを、質的調査と量的調査を組み合わせて検討しました。その結果、ショックを感じたときにキャリアを切り開く行動が強まる関係は、会社から派遣された駐在員でより強く見られました。主体性は本人の資質だけでなく、周囲の支援の在り方に条件づけられている可能性が示されています。

実務家向け雑誌を内容分析すると現場の関心が見える

人材開発の研究と現場の間には隔たりがあると言われ続けてきました。本論文は、実務家向けに発行されている雑誌そのものを分析対象に据え、内容分析の手順を組み立てて示します。学術的な枠組みを持ち込まず、その媒体の論理に沿って読むことで、通常の文献レビューでは見えない現場の関心や優先順位を継続的に追跡できる、というのが著者らの主張です。

一人で遊ぶ販促ゲームは、対戦型より倫理的だと感じられる

ゲーム要素を使った販促キャンペーンを、消費者はどこまで公正だと感じるのでしょうか。オンライン実験の結果、一人で完結する設計は、他の参加者と関わる設計より倫理的だと評価されました。複数人で遊ぶ場合でも、競い合う設計より協力し合う設計のほうが好意的に受け止められています。一方、結果が腕前で決まるか運で決まるかという違いは、それ自体では評価を分けませんでした。

変化への抵抗は、人の脳・組織・因果の三層に埋め込まれている

組織変革がうまくいかない理由を、著者は「人が抵抗するから」では説明が浅いと考えます。この論文は、認知神経科学・システム理論・複雑性科学を手がかりに、抵抗が人・組織・因果という三つの層に埋め込まれた制約の表れだと論じます。そして、制約に逆らうのではなく沿うように施策を設計することを提案しています。

評価者研修の成果と結びついたのは意欲より認知能力

評価者研修の成果を分けるのは、受講者のどんな特性でしょうか。学習目標志向性や内的統制感といった特性は一般的自己効力感を介して研修へのやる気と結びついていましたが、そのやる気は研修後の知識や評価の正確さを予測しませんでした。代わりに、頭を使う成果指標と最も安定して関連していたのは認知能力で、一方でFOR訓練そのものは評価の正確さを複数の面で改善していました。