バーンアウト

上司のワーカホリズムの悪影響は部下の「同一視」で和らぐ

働きすぎの上司のもとで部下が疲弊するかどうかは、部下がその上司をどう受け止めているかによって変わるようです。本研究では、上司のワーカホリズムが部下の強迫的情熱を高め、それがバーンアウトへとつながる経路が確認されました。一方で、上司に自分を重ねるリーダー同一視が強い部下では、この経路が弱まっていました。

時間を整えるリーダーは消耗し、メンバーは救われる

締め切りやペース配分を整えるリーダーの働きかけは、メンバーにとっては助けになりますが、それを担うリーダー自身はすり減っていきます。2つのフィールド調査は、この役割をまたぐ資源のやりとりを描き出しました。さらに、チームの仕事が複雑な場面ほど、コストよりも恩恵のほうが強く現れることも示されています。

職務の要求と資源の理論は、個人差・階層・家庭へ広がった

働く人が消耗するか、いきいき働けるかは、仕事の負荷と、それを支える資源の組み合わせで決まる。この考え方を提唱した著者ら自身が、先行レビュー以降の研究の広がりを整理し直したのが本稿です。近年の発展として、人によって効き方が違うこと、要求と資源は個人だけでなくチームや組織にもあること、働く人が自ら環境に働きかけること、そして仕事と家庭がつながっていることの四つが挙げられています。

働く人のストレスを『資源の増減』で読み解く理論、30年の到達点

職場のストレスをめぐる研究には、燃え尽き(バーンアウト)から強い衝撃を伴うトラウマ性ストレスまでを一つの見方でつなぐ理論があります。それが資源保存(COR)理論で、人は自分にとって大切な資源を守ろうとし、失うことを避けようとする、という前提から働く人のストレスを捉えます。本論文はこの理論の原則と派生命題を整理し直し、組織行動の研究がどう使ってきたかをたどった総説です。

職務資源は職務要求の悪影響を和らげる:JD-R理論15年の到達点

職務要求−資源(JD-R)理論は、仕事の要素を「負担になるもの」と「支えになるもの」に分けて捉える枠組みです。本論文は、2001年の提唱から15年ぶんの研究を振り返り、モデルが理論へと成熟していった過程を整理しています。中心に置かれているのは、さまざまな職務資源が、さまざまな職務要求からバーンアウト(燃え尽き)へ向かう影響を和らげる緩衝役を果たす、という証拠です。