職務満足が自分の平均より高い時期は、ストレスも炎症も低い 高齢者介護施設で働く人たちを18か月にわたって追いかけた研究です。同じ人の中で職務満足が高まった時期には、知覚ストレスが低く、血液中の炎症指標も低いという関連が確認されました。勤務外で無償の介護を担う人とそうでない人とで、まったく別の経路が働くとまでは言えませんでしたが、個人の中で起きるパターンには違いが見られました。 2026.09.16 働き方・ウェルビーイング
組織に大切にされている実感が、働く姿勢と成果と健康を左右する 働く人は日々の経験から、「この組織は自分の貢献を認め、自分を気にかけてくれるか」という総合的な見方を作り上げます。著者らは、この見方を扱う理論について、蓄積された既存研究を統合して検証しました。その結果、何がこの実感を高めるのか、そしてそれが何につながるのかという理論の予測は、おおむね支持されました。関係の強さの違いや、あいだに入るしくみまで言い当てていた点が特徴です。 2026.09.12 組織・エンゲージメント
退屈が増えた時期は落ち込みと先延ばしも同時に増える 仕事の退屈が高まった時期には、同じ時期に抑うつ気分やフラストレーションも高まり、それを通じて先延ばしや反生産的職務行動の増加ともつながるという関係が見られました。一方で、6週間後の時点への持ち越し(時間差の関係)は確認されていません。さらにこの結び付きは、仕事の進め方を自分で決められる度合いが高い人ほど弱くなっていました。退屈への対処は、起きているその時期に手を打つことが鍵になりそうです。 2026.09.11 組織・エンゲージメント
職務の要求と資源の理論は、個人差・階層・家庭へ広がった 働く人が消耗するか、いきいき働けるかは、仕事の負荷と、それを支える資源の組み合わせで決まる。この考え方を提唱した著者ら自身が、先行レビュー以降の研究の広がりを整理し直したのが本稿です。近年の発展として、人によって効き方が違うこと、要求と資源は個人だけでなくチームや組織にもあること、働く人が自ら環境に働きかけること、そして仕事と家庭がつながっていることの四つが挙げられています。 2026.09.10 働き方・ウェルビーイング
負の感情を扱う仕事では深層演技が表層演技より働き手を傷つける 感情労働の研究では長く、感情を偽る表層演技のほうが有害で、本心から感情をつくり出す深層演技は害が小さいと考えられてきました。この研究は債権回収という職種を深く掘り下げ、その前提が負の感情を扱う場面では成り立たない可能性を示します。顧客の苦境が働き手自身のつらい記憶を呼び起こし、湧き上がった真正な感情がそのまま痛みになっていました。 2026.09.08 多様性・ハラスメント
活力は正午がピーク、努力の影響は夕方に現れる 同じ「がんばり」でも、活力を高めるときと奪うときがあります。この研究は、1日の活力の動きを資源動員・資源活用・資源撤退という三つの局面に分けて追いかけ、睡眠の質が朝の立ち上がりに、正午の努力が日中の下降に、午後の努力と没入が夕方の落ち込みに関わることを示しました。努力の代償は、働いている最中よりも、終業後にはっきり見えてきます。 2026.09.07 組織・エンゲージメント
職務資源は職務要求の悪影響を和らげる:JD-R理論15年の到達点 職務要求−資源(JD-R)理論は、仕事の要素を「負担になるもの」と「支えになるもの」に分けて捉える枠組みです。本論文は、2001年の提唱から15年ぶんの研究を振り返り、モデルが理論へと成熟していった過程を整理しています。中心に置かれているのは、さまざまな職務資源が、さまざまな職務要求からバーンアウト(燃え尽き)へ向かう影響を和らげる緩衝役を果たす、という証拠です。 2026.09.03 働き方・ウェルビーイング