エコシステムを「構造」として定義し直すと、似た言葉との違いが見える 「エコシステム」という言葉は、この20年ほどで経営戦略の議論に広く入り込みました。本論文はその言葉を、組織や活動のあいだの相互依存を表す「構造」としてとらえ直し、明確な定義と、構造を書き表すための文法、そしてエコシステム戦略ならではの論点を示します。さらにビジネスモデルやプラットフォームといった近い概念と突き合わせ、この言葉が議論に何を足し、何を足さないのかを切り分けています。 2026.09.05 リーダーシップ・マネジメント
人とAIのチームの適応は4つの条件が左右する 人とAIエージェントが混ざったチームは、状況が変わったときにうまく噛み合わなくなりがちです。本研究は、これまでのチーム理論だけではその難しさを説明しきれないとして、メンバー・仕事・環境の相互作用をひとつの枠組みに束ねる考え方を提案しました。鍵になるのは、予測可能性・観察可能性・計画可能性・指示可能性という4つの条件です。 2026.09.04 チーム・協働
評価者研修の成果と結びついたのは意欲より認知能力 評価者研修の成果を分けるのは、受講者のどんな特性でしょうか。学習目標志向性や内的統制感といった特性は一般的自己効力感を介して研修へのやる気と結びついていましたが、そのやる気は研修後の知識や評価の正確さを予測しませんでした。代わりに、頭を使う成果指標と最も安定して関連していたのは認知能力で、一方でFOR訓練そのものは評価の正確さを複数の面で改善していました。 2026.09.04 育成・評価・タレント
集団で転職してきた人は定着し、元からいた社員が抜けやすくなる 他社から複数人が同時に移ってくる採用を、この研究は「コモビリティ(同時移籍)」と呼びます。研究チームは、一緒に移ってきた人どうしは以前の関係と仕事の進め方を持ち込めるため職場に根を張りやすく、離職しにくいと論じます。一方で受け入れ側の既存社員は、人間関係と仕事の構造が組み替えられることで職場とのつながりが弱まり、離職しやすくなると想定しました。この効果は移ってきた集団が大きいときや、リーダー格を伴うときに強まるとされています。 2026.09.04 組織・エンゲージメント
危機が続く環境では『退く・戻る』の周期が生存を支える 紛争が続く地域で事業を営む起業家たちは、危機から「立ち直る」のでも「成長する」のでもなく、繰り返す危機と資源不足のなかで事業と暮らしを続けること自体を目指していました。本研究は、そうしたレジリエンス(逆境に対処する力)が、いったん退き、また関わり直し、やり方を変えるという周期として現れることを示します。ただしその生存は、本人の健康や事業の成長、人とのつながりを差し出すことと引き換えでした。 2026.09.03 組織・エンゲージメント
働く人のストレスを『資源の増減』で読み解く理論、30年の到達点 職場のストレスをめぐる研究には、燃え尽き(バーンアウト)から強い衝撃を伴うトラウマ性ストレスまでを一つの見方でつなぐ理論があります。それが資源保存(COR)理論で、人は自分にとって大切な資源を守ろうとし、失うことを避けようとする、という前提から働く人のストレスを捉えます。本論文はこの理論の原則と派生命題を整理し直し、組織行動の研究がどう使ってきたかをたどった総説です。 2026.09.03 組織・エンゲージメント
職務資源は職務要求の悪影響を和らげる:JD-R理論15年の到達点 職務要求−資源(JD-R)理論は、仕事の要素を「負担になるもの」と「支えになるもの」に分けて捉える枠組みです。本論文は、2001年の提唱から15年ぶんの研究を振り返り、モデルが理論へと成熟していった過程を整理しています。中心に置かれているのは、さまざまな職務資源が、さまざまな職務要求からバーンアウト(燃え尽き)へ向かう影響を和らげる緩衝役を果たす、という証拠です。 2026.09.03 働き方・ウェルビーイング