職業データベースO*NETの派生尺度を整理し妥当性を検証 経営や組織の研究では、職業の特徴を測るためにO*NETの記述子を組み合わせた独自の尺度が数多く作られてきました。本レビューはそうした尺度を集めて整理し、妥当性の根拠が十分なものを選び出して、「O*NET Plus」という拡張された枠組みにまとめています。研究者が似た尺度を作り直す手間を減らし、職業記述の共通基盤を用意しようとする試みです。 2026.09.18 育成・評価・タレント
チーム研修で個人が学べるかは「チーム内の役割志向」で決まる チーム単位の研修がうまくいったからといって、参加者一人ひとりが学べているとは限りません。本研究は、シミュレーション型のチーム訓練に取り組んだ学生チームを対象に、メンバーの役割志向が個人の学習成果とどう結びつくかを調べました。実行役・関係づくり役・段取り役という三つの志向で学びの中身が分かれ、自分の貢献を振り返る調整的学習行動がその一部を説明していました。 2026.09.18 チーム・協働
投資家の質問の焦点が、男女の資金調達差を生む 男性起業家と女性起業家の資金調達額の差は、投資家が投げる質問の違いから生まれていました。男性には成長や可能性を問う質問、女性には損失回避を問う質問が多く向けられ、起業家も同じ枠組みで答えます。そして損失回避を問われた起業家ほど、調達額が低くなっていました。答え方を変える介入によって、この差を縮められる可能性も示されました。 2026.09.17 多様性・ハラスメント
親友でもある同僚への妬みは、関係を守る動機と同時に働きます 職場の同僚が同時に親しい友人でもある関係は、比較の材料を増やし、相手の成功や恵まれた境遇が自分ごとになりやすくします。本論文は、そこで生まれる妬みが「つらさを減らしたい」という個人的な動機と「大切な関係を保ちたい」という関係的な動機を同時に立ち上げると論じます。そして、その処理の仕方によって、感情そのもの・状況・表に出し方のいずれかを調整する経路へ分かれ、経路ごとにその後の感情と関係の行方が違ってくると整理しています。 2026.09.17 倫理・コンプライアンス
統制変数は性別・年齢・在職期間に偏り、理由の説明はほぼない 組織や人事の研究では、実験が組みにくい代わりに統制変数を入れて他の影響を取り除きます。主要誌に10年間で載った580本を内容分析したこの研究は、テーマがまるで違う領域でも統制変数が性別・年齢・在職期間に集中し、選んだ理由の説明はごくわずかだと示しました。著者らは、含めるべきかを判断するための問いと手順を提案しています。 2026.09.17 組織・エンゲージメント
時間を整えるリーダーは消耗し、メンバーは救われる 締め切りやペース配分を整えるリーダーの働きかけは、メンバーにとっては助けになりますが、それを担うリーダー自身はすり減っていきます。2つのフィールド調査は、この役割をまたぐ資源のやりとりを描き出しました。さらに、チームの仕事が複雑な場面ほど、コストよりも恩恵のほうが強く現れることも示されています。 2026.09.16 チーム・協働
ロビイングが承認を早めるかは企業の評判しだい 企業が規制当局に働きかけるロビイングは、承認を早めることもあれば、かえって審査を慎重にさせることもあります。本研究は、当局が「早すぎる決定」と「遅すぎる決定」の両方で批判されうる立場にあり、自らの評判を守るために審査の時間を裁量的に使うと考えました。米国FDAの医療機器承認データの分析では、ロビイングと承認の速さの関係が、企業のリコール歴や革新性の評判によって変わることが示されています。 2026.09.16 リーダーシップ・マネジメント
職務満足が自分の平均より高い時期は、ストレスも炎症も低い 高齢者介護施設で働く人たちを18か月にわたって追いかけた研究です。同じ人の中で職務満足が高まった時期には、知覚ストレスが低く、血液中の炎症指標も低いという関連が確認されました。勤務外で無償の介護を担う人とそうでない人とで、まったく別の経路が働くとまでは言えませんでしたが、個人の中で起きるパターンには違いが見られました。 2026.09.16 働き方・ウェルビーイング
キャリアショックが行動を促すのは会社派遣の駐在員 海外赴任にはトラブルや転機がつきものです。本研究は、そうした予期せぬ出来事が国際的なキャリアの持続性にどう関わるかを、質的調査と量的調査を組み合わせて検討しました。その結果、ショックを感じたときにキャリアを切り開く行動が強まる関係は、会社から派遣された駐在員でより強く見られました。主体性は本人の資質だけでなく、周囲の支援の在り方に条件づけられている可能性が示されています。 2026.09.15 育成・評価・タレント
女性起業家の正当性は宗教の再解釈から始まる アラブ首長国連邦の女性起業家は、国の女性活躍推進や国家発展という大きな物語に自分の事業を重ね、起業家としての正当性を語りによって築いていました。同時に彼女たちは、イスラームの教えとビジネス倫理を自ら読み直し、女性が事業を営むことは倫理的で社会的責任のある行いだと位置づけていました。外向きの説得の前に、内側での解釈のやり直しがあったのです。 2026.09.15 組織・エンゲージメント