活力は正午がピーク、努力の影響は夕方に現れる 同じ「がんばり」でも、活力を高めるときと奪うときがあります。この研究は、1日の活力の動きを資源動員・資源活用・資源撤退という三つの局面に分けて追いかけ、睡眠の質が朝の立ち上がりに、正午の努力が日中の下降に、午後の努力と没入が夕方の落ち込みに関わることを示しました。努力の代償は、働いている最中よりも、終業後にはっきり見えてきます。 2026.09.07 組織・エンゲージメント
言語による締め出しが組織への所有感を弱め、破壊的な発言を招く 多言語で働く職場が増える一方、言語を理由に会話から外されることが従業員に何をもたらすかは、あまり調べられてきませんでした。本研究は、こうした言語による排除が組織に対する所有の感覚を弱め、その結果として組織への仕返しの色を帯びた否定的な発言を増やすことを、実験と現場調査の両方で確かめています。さらに、従業員を意思決定に巻き込む働きかけが、その悪影響を和らげることも示されました。 2026.09.06 組織・エンゲージメント
集団で転職してきた人は定着し、元からいた社員が抜けやすくなる 他社から複数人が同時に移ってくる採用を、この研究は「コモビリティ(同時移籍)」と呼びます。研究チームは、一緒に移ってきた人どうしは以前の関係と仕事の進め方を持ち込めるため職場に根を張りやすく、離職しにくいと論じます。一方で受け入れ側の既存社員は、人間関係と仕事の構造が組み替えられることで職場とのつながりが弱まり、離職しやすくなると想定しました。この効果は移ってきた集団が大きいときや、リーダー格を伴うときに強まるとされています。 2026.09.04 組織・エンゲージメント
働く人のストレスを『資源の増減』で読み解く理論、30年の到達点 職場のストレスをめぐる研究には、燃え尽き(バーンアウト)から強い衝撃を伴うトラウマ性ストレスまでを一つの見方でつなぐ理論があります。それが資源保存(COR)理論で、人は自分にとって大切な資源を守ろうとし、失うことを避けようとする、という前提から働く人のストレスを捉えます。本論文はこの理論の原則と派生命題を整理し直し、組織行動の研究がどう使ってきたかをたどった総説です。 2026.09.03 組織・エンゲージメント
危機が続く環境では『退く・戻る』の周期が生存を支える 紛争が続く地域で事業を営む起業家たちは、危機から「立ち直る」のでも「成長する」のでもなく、繰り返す危機と資源不足のなかで事業と暮らしを続けること自体を目指していました。本研究は、そうしたレジリエンス(逆境に対処する力)が、いったん退き、また関わり直し、やり方を変えるという周期として現れることを示します。ただしその生存は、本人の健康や事業の成長、人とのつながりを差し出すことと引き換えでした。 2026.09.03 組織・エンゲージメント